夕方6時の景色

いつも通る帰り道、
木陰で黒いネコに餌をやるおばあさんがいました。



おこぼれを預かろうと、
おばあさんと黒ネコの周りには必ずスズメとハトも参戦し、
夕暮れまえのひと時は、
まるでお祭りのようなにぎわい。



野良ネコに餌をやるのは迷惑だ、という声もあるのかもしれませんが、
おばあさんにとって、黒ネコに餌をやることが生き甲斐になっているようでした。
そして、おばあさんから慈愛たっぷりの餌をもらい、
ふてぶてしく食すネコの姿を見ることは、
私にとってもささやかな楽しみでした。



ところが、最近そのおばあさんを見かけません。
特に挨拶をしあうような関係ではなかったおばあさんですが、
(挨拶などしあう関係になっていたら、この光景は今の意味を失ってしまっていたと思う)
餌をやりに来られなくなってしまった何かの事情に見舞われてない事を祈るばかり。
日が短くなってきたから、餌やりを早めに済ませているのかもしれない。
そうあって欲しい。
秋の夜長に思う、夕暮れの景色。