小さいことも悪くない


先日、台湾からお客さまが来てくださいました。
ひまわりみたいに明るく笑う、
まっすぐな目をしたステキな方でした。


伝えたいことがうまく英語になって出てこず、
思うように伝わりきれてない〜と思ったけれど、
日本語どうしでも、いつももどかしさがあるな、
とすぐ思い直しました。



たくさん噛み合わない場面はあったはずですが、
帰っていく時には前からの知り合いのような気持ちで、
見送っていました。



選んでくださったのは、白磁のフリーカップ
何かの縁で、気まぐれ程度にしか開かない小さなお店に来てくれて、
偶然この器が目に入り、台湾へ持ち帰ってくれたことは、
ちょっと感慨深いものがありました。


旅の思い出とともに、台湾のお家でこの器でスープ飲んだり、
おやつを食べたりしてくださっているのかな。
私が伝えなかった器の良さも、発見してくれているかもしれない。
何気なく始めたお店で、こんなつながりができるとは不思議な感覚です。



でも。
いつもの日本のお客さまが器を選んでくださるときも、
同じような思いで見送っています。
何かの縁で、たいした宣伝もしていない、
こんな小さなお店で器を見てくださることは、
いつだってとても嬉しいです。
とはいえ、買っていただいたすべての器を覚えてるか聞かれると、
それは正直なところ自信ないのですが。



常設展はよくも悪くも、空音という空間で、
温められた器たちをご覧いただけます。



外はどうせ蒸し暑いのです。
おいでの際は、ゆっくりゆっくり、過ごしていってください。