器を見つめる時間


もう12月ですね。
1年早いですよね、と言葉を交わして、
ため息混じりに微笑むようになり、
何年でしょうか。



前回予告していました、手元の器の見直し方について、
最近思うことを。



お店で時々、器が増えるにつれて、
使わなくなってしまった器があるとご相談頂くことがあります。
生活スタイルや好みが変わって、そういうこともあるかもしれません。



以前は、ある器の見え方が変わっていくことで、
もやもや感じたりもしましたが、
今は、どんな器もありがとう!という気持ちです。



時間を経ることもありますが、
自分の見方や好みの変化を教えてくれているのだと思います。
自分を映すもの、といえるでしょうか。
何かの理由で器を手放さないといけなくなっても、
器が教えてくれたものを心の中にしっかり残すことができるなら、
それも前向きな選択と思えるのです。




そのために、まず。
眠っている器を全部出してみてはどうでしょう。
(ときめく片付けと、たぶん一緒です)



一つひとつ、器を手に取り、じっくり眺めてみてください。
どこが気に入って買ったのか?
見直してみて、いいなあと魅力を感じるところは。
その器と、どんな時間を過ごしてきましたか?
どこが合わなくて(大きさ、形、色?何となくのフィーリング?)、
使わなくなったのでしょうか。



みなさんそれぞれに、使いやすい大きさや形などがあると思います。
好きな作家さんだけでなく、
見直す中でそういう傾向を見つけられると、
次の器を選びやすくなりますね。
作家さんの幅も広がることも。
逆に、持っていない器、あったらいいなの器も見えてきますね。




器を一通り並べてみたら、今度は、
あまり使ってない器をこれからどう付き合っていきたいか、
考え直すたのしい時間をとってみませんか?



今までの使い道で出番が少なくても、
違った使い道で生かせることってありますよね。
私も最近、取り皿から小物置きに転身し、
何だかとってもしっくりきた器があります。
ボウルに、小さなグリーンを植えてみたことも。
新しい息吹に発見があることが、
私自身は楽しいなと思っています。



日常的には使わなくても、
お正月のようなハレの日、人が集まる日なら使いそう、という器は、
取りにくい場所にまとめて置いてもいいですね。
ここを見たらあの器がある、というのを確認しておくと、
必要な時に役に立つし、
同じような買い物をしてしまうのも防げると思います。



つい取りやすいところの器ばかり使ってしまうもの。
気に入っているのに出番が少ない器があれば、
(すでにされている方もいらっしゃると思いますが)
季節毎とか、月毎に、
意識的に器の置く場所を入れ替えてもいいですね。



どうしても使わないなと思うものは、
周りに使ってくれる人がいるか探してみても。
自分に合わなくても、他の人にはあう場合もあります。



年の終わりに、手元の器を見つめ直す。
なんて、目新しいことは全然言えてません。
でも、1年に一度少しとまって、
ずらりと手元の器たちを眺めてみる時間は、
気持ちを満たしてくれるもののように感じます。




器が欠けてしまって、というご相談もよく頂きます。
そんなお声にも、自信持って修理でおこたえできたらと、
ただいま勉強中です。
自分でもびっくりするぐらい、
しっくりと楽しんでいます。


(修理の途中)


それもあり、今はなかなか営業日を増やせません(笑)。
何だか要領がとっても悪いのですが、
近いうちに、
みなさんの器も継いでいけたら素敵だなと思い描いています。



さて今年は、18日日曜日を最後の営業日とさせいただきます。
この日は、雑司が谷手創り市もあります。
http://www.tezukuriichi.com/home.html
よかったら、早稲田から雑司が谷まで、
都電散歩にお出かけくださいね。