新生、根津美術館

だんだんと空気が澄んできました。
何を食べてもおいしく、テクテク歩くのも気持ちよく、夜は物憂く心地よく。
ぼんやりとした夏の日々の後ですが、秋の日は期待を裏切らずに待っていてくれました。


きらきらとした2009年秋の日、根津美術館が新装開館しました。
http://www.nezu-muse.or.jp/
根津氏のもと私邸につくられた、都内でも貴重な日本庭園つき美術館です。


今回の工事前には、
都心と思えない静けさ、
気品あるオーラをまとう空間、
うっとりするような作品群はいつも刺激があり、心を満たしてくれる場所でした。
大好きな美術館だったので、工事による一時休館をとても残念に思い、
この日を心待ちにしていました。
ちょうど空音がオープンする少し前あたりから、工事にとりかかっていた事になります。
この間、空音はせっせこせっせこ週末営業し続けて、やっとこ4年目を迎え、
根津美術館は大掛かりな工事を終え、新しい時代を視野にいれた幕開けとなったわけです。


以前は、たしかヴィラと名付けられた気軽な喫茶室が庭園にあって、
そこでお茶をしながら、
ちょっとした谷の地形をいかした、
庭園の澄んだ空気を眺めるのがとても気持ちよかった事を思い出します。
もう一つ、この美術館がすばらしいのは、
特別展だけでなく別室で見られる「根津コレクション」(いわゆる常設展にあたるものでしょうか)も本当に美しいことです。
選ばれた品々に一貫した気品に驚き、心躍らされる作品ばかり、
「おまけ」ではなく、丁寧に見たいコレクションです。
今は時代が変わりましたが、
地位の高い人(資産のある人)たちが文化的役割を担ってきたことのよき面を思わせる美術館といえます。


今回の新装工事にあたり、建築家の隈研吾氏を起用しているようです。
新装の姿をまだ見ていませんし噂も耳に入ってきておりませんが、お目にかかれるのが目前の楽しみです。
庭園の喫茶室がちゃんと後継されていると嬉しいのですが。



さて、一般的には今日から3連休。
みなさま、よい休日をお過ごしくださいませ。
お近くにおいでの際には、どうぞ遊びにいらしてください。