あと3日

今野安健さんの個展がまもなく始まります。


東京でお取り扱いしているお店が多くはない(諸事情により)ので、
初めて今野さんの名前を聞かれた方もいらっしゃるかもしれません。


今野さんは山形県鶴岡市生まれ、現在もこの地で器を作られています。
大学を卒業後しばらくして、陶芸を始めようとバイク1台で九州に渡ったそうです。
陶芸の経験がなかったにもかかわらず住み込みの窯元で働き始め、
後に唐津中川自然坊氏に師事、今から8年ほど前に独立をしました。


日々の器、という言葉はあちこちで使われていますが、
今野さんの器についてお伝えすることを考えたとき、
私にはこの言い表し方しか思いつけませんでした。
押し付けがましいところがなく、
使い手はいつも気負うことのない自然な気持ちで手にできる。
料理を盛るとき作家性だけがすっと後ろに引き、
本当に大らかに美しく受け止めてくれます。
何事にも飽きやすい私ですが、毎日のように手にでき、
器そのものとしての魅力はもちろんですが、
そんな使い心地の感触は、作家ものの器としては他になかなかありませんでした。
そしてそれは、今野さんのお人柄によるところが大きいのだと思っています。


今日、自作の薪窯で今回の展示用の器が焼き上がったそうです。
窯を炊き始めてから54時間ほど。つまり丸2日と少し。
電話越しでお聞きして、3日後の展示がますます楽しみになってきました。
灯油窯である程度白磁を量産する一方で、
薪窯では今野さん自身が魅せられている器のおもしろさを
追求されているのだと思います。
薪窯というのは回によっては質のよいものを多くとれないこともあり、
不安定になりがちですが、
その作り手の思い通りになるとは限らないというおもしろさがあるからこそ、
見る私たちもそこに魅力を感じるのでしょう。
いつも違った表情を見せてくれる薪窯の器を
ぜひご覧いただければと思います。



今回の個展は、平日の金曜日スタートです。
会社人の皆さまも、ぜひお仕事帰りにお立ち寄りくださいませ。
ぎりぎりで慌ててしまうようでしたら、
お電話を頂ければゆっくりお待ちしております。
お気軽にお電話ください。
(私も会社人でもありますが、大事な予定があるときに限って、
抜け出せなくなり、バタバタしてしまうことがよくありますので。)


そして・・
すでにご覧いただいている皆さまには、度々ですみません。
個展(今野安健さん)のイメージムービーができました。
よろしければご覧くださいませ。


※展示のようすは12/3か12/4ごろにご案内できる予定です。