今年最後の12分の1

ご無沙汰している間に、すっかり季節が変化してしまいました。
ビルの窓から見える秋色東京がこんなにきれいだったとは。
長く東京にいますが今年初めて、この街の紅葉の良さに気付かされています。



先週はお休みを頂き、ずっと楽しみにしていた根津美術館の井戸茶碗展へ足を運んできました。
陶器の茶碗は派手なバリエーションはありませんが、
1つの器の中に釉の流れや色、高台、ろくろに、
金継の跡といった使われてきた過程の要素までが絶妙に絡まり合っていました。
戦国の武将たちがこのような器を前にどう感じていたのかはわかりませんが、
これらの器を愛でるとき自身の地位や権力から離れ、
一個人としての生活の機微と向き合っていたような気がします。
どれも溜め息もので、ガラスケースに幾度も鼻の頭をぶつけてしまいましたが、
すでにたくさんの鼻の形跡が残っていました。
目の前のひとつの器を思い思いに鑑賞する時間はいいものですね。




そして、SHIZENさんでの田谷直子さんの個展へも伺ってきました。
新しく取り組まれている線刻の器は、
釉が流れるルリ色のキャンバスに、のびやかな絵が浮かび上がるようでした。



器っていいですね。とても充実した時間を過ごすことができました。
今度は器をめぐる素敵な時間を皆様にお届けすべく、
今週末のtravel on the tableに向けて準備をしています。



年に1度のこのイベントは、始まったと思ったらもう終わり。
楽しい旅行のように、あっという間に過ぎてしまいます。
今年は早稲田でたくさんの方に、
素敵な器とおいしいお茶で、
忙しい年末のひと時をゆっくりと過ごして頂けたらよいなと想像しております。



中央線沿線でお世話になっていました皆様、
早稲田近隣の初めましての皆様、
毎年楽しみにしてくださっている皆様、
今週末、早稲田で皆様にお会いできますことを楽しみにお待ちしております。