*3月の展覧会のこと


今日は次回の展覧会「珈琲と 和菓子の、うつわ」展に出品いただく川合優(まさる)さんのことを少し。


木の道具や家具を作られている川合優さんは、
宇治茶の生産で知られる京都の村で作品作りに励まれています。
川合さんの工房は山道を登っていった先の、山の上の方、
でも平らな土地が広がっている、不思議な場所にあります。


私が川合さんの作品を初めて拝見したときに感服したのがこの作品でした。
木肌が少し残るように、漆をかけてしあげた茶托。
しばらく立ったまま、手にしたこの茶托をしばらく眺めていました。
正直なところ、ものすごい衝撃を受けていました。
先日川合さんの工房へ伺ったとき、
初対面だったし ’ 覚えてらっしゃらないだろう ’ と思っていたこの時の私の状態について、
「あの時、この茶托しか目に入ってなかったから(他の作品は見てなかった)」とからかわれてしまった程でした。


最近の木の作品というと、木をいかに削って見せるかという方向性が強く、
木のナチュラル感が残るように仕上げたものが主流ではないでしょうか。
北欧などの木の作品の影響が強いのかなと思ったり。
木そのものに触れる機会が少なくなっている今の時代にあっては当然の流れなのかなと思ったり。
こういう仕上げ方の良さも感じます。


けれど、この流れとは別のところに位置し、はっきりと意思を持って木と向き合われているのが川合さんです。
木肌をどう生かし、どう見せるか。
木という自然の素材に新しい命をどう吹き込んでいくか。
川合さんが木と向き合う姿勢、
細やかな感性で気品ある作品に仕上げていく仕事ぶりに心を奪われ、
私は信頼と安心感を覚えました。
ぜひこの良さをお伝えしたいと思い、
そして、それを川合さんも快く(だったらとても嬉しい)ゆるしてくださり、
今回に至りました。


木のものが好き!という方も。
今までの木の作品になじめなかった方も、飽きてしまった方も。
木の器って陶器とバランスよく使えないんだけれど・・と思われていた方も。
どれにも該当しないんだけど・・と思ってらっしゃる方も。
明確な意思とたしかな仕事で、「木」の美しさを再認識させてくれる器や道具を、
1人でも多くの皆さまにご覧いただけたら嬉しいです。
漆で仕上げた以外の作品もあります。


今回は、当店で初出品いただく川合優さんの作品について長くご紹介させていただきましたが、
シャープな岡田直人さんの器、心穏やかな田谷直子さんの器も合わせてご期待くださいませ。
DMにうつっている珈琲用のカップの他、小皿なども出品してくださる予定です。


期間中、珈琲豆を販売させていただくのと同時に、
初日は、YAMA COFFEEさんが珈琲をいれに来てくださいます。
3月の展覧会まであと少し。どうぞ楽しみにお待ちくださいませ。