展覧会後

「スープの器」展には多くの方にお越しいただいたりお問い合わせをいただきまして、ありがとうございました。
スープの器というと、洋風のスープ皿をお探しの方も多いのではと思っていましたので、土の器を意識した今回の展示はどうなのかな、と思う部分もありました。けれど多くの方が土の器でスープ、シチュー、カレーなどを頂くことを自然に受け止めてらして、日々のスープがどうあるのかを皆さまから教えていただいたように感じています。改めてお礼申し上げます。



展覧会と前後しご案内が遅れてしまいましたが、九州の川口武亮さんの器が入荷しております。
一つは粉引のポットです。
あたたかいお茶を頂きたくなる季節に。愛らしさだけでは物足りない、渋いだけでは使いにくい。その間にいてしっかりと活躍してくれる嬉しいポットです。
http://www.ku-ne.com/page/main/items/kawaguchi/1010/01.html



そして三島の器数点です。
川口さんは先日九州の個展の際に三島を出品されていて、その一部を少しわけていただきました。
三島はのびやかな川口さんらしい、和やかで生き生きとした表情を放っています。今回同じものの数は揃いませんが、テーブルに1枚添えるだけでも、素敵な脇役を担ってくれそうです。






料理を引き立て、そして料理にも引き立てられる。原土にこだわり生かそうとされているせいか、器と料理のとても良い関係性を感じられるのも魅力です。
4寸皿(¥2100)が3種類と、3.5寸皿(¥1680)が1枚ありまして、ぶどうと柿は4寸皿に盛ってみました。



<番外編>



今野安健さん薪窯による4寸粉引皿(1890円)。白磁に果物、というのも清々しい組み合わせですが、土の器にざっくりと盛るのも悪くないといつも思います。今野さんの器は、本当にどんな料理も大らかに受け止めてくれ、はっとさせられます。
こちらの粉引の4寸皿は、8月に今野さんの元へ伺ったときに自分用とお店用に買ってきて以来、サイトでは掲載していませんでしたが、これからの季節によいなと思います。淡いグリーンの中に土のあとが感じられる器には、根菜などもよく映えそうです。


作家ものの土の器を使うのがまだ心配で、という方には、ぜひ果物を盛ってみられることをおすすめしています。臭いやしみが器につきにくいだけでなくて、土の器に料理を盛ることのよさを感じていただきやすいと思います。


器の好みを超えた善し悪しや、個々人の好みはありますが、食べるという日常的な行為の中で、いい器が自然と何気なく使われている光景を思うと、気持ちが明るくなります。気負うことなく器を道具として使う中で、時々「あ、この器はいいね」と再確認できる。幸せは日々の中に眠っている小さなものと言いますが、日々の中で器を使うことも同じなんだと思います。



本日23日と24日は、展示の入れ替え(と、あまり大きな声で言えませんが、ささやかな休息)のため、お休みをいただきます。
展覧会の作品の中から空音視点でお選びした器と新しく入荷した器も加わり、充実した常設展示になっております。
また来週末の営業となりますが、どうぞ新しい器を見にいらしてくださいませ。